ジェンダーフリーは、自分のことしか考えない。


Q. じゃあ、ジェンダーフリー男女共同参画は全く問題ないの?

A.そんなことはないと思う。どんな考え方でも、一切問題がない、疑わないというのはありえない。男女共同参画的な社会に変わっていくのは経済状況や文化的な状況からみて時代的必然だとは思うけど、具体的にどう変えていくかについてはしっかり議論が必要でしょう。女性が働くのが気に食わないからといってぶちまける「ちゃぶ台かえし」は言語道断だけど、同様にこれらを徹底しさえすればいいとか、「全員働け」「格差をゼロに!」という考え方を唱えるだけでもダメ。この2つに共通しているのは、形式にこだわり中身に触れない、という点だと思う。

試しに、いくつか批判点をあげてみるよ。先ほど、「まずは両立支援」と書いたけど、労働時間が国際的にずば抜けて高く、中高年の自殺者が多い現状では、男性の働き方そのもの、企業経営方法そのものの見直しも必要になる。「働かない女性への対応は?」という声があるから、それなら働かない男性への対応はどうするのか、育児をしたい男性はどうするのか、というのも含めてね。また、男女共同参画をあたかも少子化解決のためだけに有効なように言っている人もいるけれど、共同参画が先進国の現状に合わせるという意味で少子化の歯止めになったとしても、出生率が激増することは望めない。先進国同士の比較では両立がしやすい国ほど出生率が高いという傾向はあるにせよ、少子化は産業化が進んだ先進国共通の特徴だから、政治をもってしても社会法則には逆らえない。むしろ、少子高齢化を前提にしたシステムに変える、ということだと思う。

もちろん政策などは段階的に行っていく必要があるから、両立というライフスタイルをまず支援するというのは現状では必要不可欠かもしれない。だけど、最終目的は、産もうが産むまいが、働こうが働くまいが、制度上は何のサンクション(報償、懲罰)もないという状況にすることだと思うから、次にどうするのか、最初がそれでいいのか、最終的にはどのような保障モデルを構成しているのか、市場原理のみを優先されないか、などなど、「どういう優先順位でやっていくのか」「どういうモデルに誘導するのか」という議論は重要だし、意見交換していくべきだよね。各論には、中の人もいくつか異論があるから(例えばメディアとの距離の取り方とか)、そういう議論の場を形成し、伝えていく必要があるよね。

読んでいると矛盾でおかしくなりそうです。

>変わっていくのは経済状況や文化的な状況からみて時代的必然だとは思うけど、具体的にどう変えていくかについてはしっかり議論が必要でしょう。
とはいっても、

>政治をもってしても社会法則には逆らえない。
のなら、議論はするだけ無駄でしょう。

>共同参画が先進国の現状に合わせる
経済状況や文化的な状況は国ごとに異なる。「先進国の現状」というような共通性は無い。

法律やシステムを変えれば、社会を変えられる。というのは、パオロ・マッツァリーノが批判している社会学そのものです。


ジェンダーフリーが胡散臭いと思われるのは、複雑きわまりない「社会」なるものを「性の偏見」という考えだけで答えをだそうとしているからです。
もちろん、「性の偏見」という単純きわまりない考えでは「社会」を分析することも変えることもできません。ただ、混乱させ、混乱してしまうだけです。このQ&Aのように。


>制度上は何のサンクション(報償、懲罰)もないという状況にすることだと思うから

の直後に、

>最終的にはどのような保障モデルを構成しているのか
何のサンクションも無い状況にするんじゃなかったけ?
ジェンダーフリーの胡散臭さをごまかして、福祉に関係するような「良いこと」に見せかけようとしているために、このように支離滅裂になるのです。

>伝えていく必要があるよね。
最後は、質問の答えをぼかして逃げ出しています(w

他にも突っ込みどころが満載なのですが、近々修正されるようなので本格的な突っ込みはまたいつか。


http://macska.org/article/112へコメント。

むにゅう! のコメント

2005/11/29 - 05:39:06 -
>ダイアモンド教授は「全文丸ごと」掲載することを条件にメールの公開を許可してくださったのだけれど、読者にとっての分かりやすさを考えて別のところでメール全文を公開したうえ、ここではそこから抜粋引用翻訳しながらコメントしていく。

あなたは自分の権益のために、ダイアモンド教授の好意を踏みにじっているのではないのですか。
引用して、各所にコメントを行うのはメール全文を公開してから行うのが礼儀だと思います。

>別の回答を見れば、他国の高校生より日本の高校生の方がより濃くジェンダー意識を残していることが分かる設問もあれば、逆にジェンダー意識が希薄になっているように見える設問もあり、

ジェンダー意識の濃度を客観的に測る方法を公開して欲しいものです。

むにゅう! のコメント

2005/11/29 - 05:46:48 -
>「日本の伝統」だなんてのを読むとこいつらの言う「伝統」なんてその程度のモノかとバカバカしくて笑えるけれど

あなたの「伝統」への理解がばかばかしいほどに浅いだけです。
人称や単語に当てられる性は、その言語を使ってきた人びとの歴史が刻まれているのですけどね。

>何年も前、ハリケーンには全て男性の名前が付けられていたんだ。
女性の名前の間違いでは?
アメリカの女性団体が、女性名を付けることに抗議したために1979年から男女混合で付けるようになったはずです。