二元論から脱出しよう

あの決定的な敗戦から60年。未だに、あの戦争を善悪の二元論でしか語れない人たちがいる。

三つ子の魂百までというように、GHQ史観による「悪の日本帝国 VS 正義のアメリカ」、冷戦時代の「悪のソビエト陣営 VS 正義の自由陣営」という二元論の教育ばかりを受けてきた弊害であることは間違いないと思う。


前大戦は全ての先進国が参加した世界大戦である以上、二元論では立体を平面にスケッチするようなもので、リアリティに欠けることおびただしい。
いま必要なのは、当時の各国がどのような関わりを持って戦争へと向かう社会・世界情勢を形作っていったかを知ることだ。

当時の日本政府が戦争を決断に、その社会・世界情勢が大きな影響を与えていることは言うまでもない。
そういった、戦争へとつながる情勢を作りださないためには何をすればよいかを考えるのが、現代を生きる我々の責務だと思う。

日本の戦争責任だの、靖国参拝だのといった議論は、すでに当事者だった先人達が済ましている。
我々がそれを繰り返すことに、大した意味は無い。
我々は前大戦の当事者には成り得ない以上、歴史的視点をもって前大戦を分析するしかないし、分析していくべきだと思う。